わたぼうしの溜まり場

飛ばした綿毛を集めています

フランス留学記、最終章 辛さ編

こんにちは。

お久しぶりです。

フランスから帰国してしばらく時間が経ち、だんだんと向き合えることが増えてきました。フランスにいた期間に溜めて書いていたけれど、向き合う余裕がなかった記事を出してみようかなと思うようになってきました。

それから、知人に何人かブログ楽しみにしてたのに、もう更新してないの?と聞かれることがありました。ありがとうございます。

そこで、留学に行こうと考えている人、留学に行った人、留学に行っている人が誰しも考えることについて、書き残して置こうと思います。

 

留学中辛かったことについて。

 

 

そういえば書いた事はなかったかもしれないですが、留学に来る前、筆者のフランス語能力は実用性というものが全くありませんでした。

辞書を使えば、大抵の文章を読み書きする事はできましたが、語彙力はない。

文法は一通り終えているものの、実際にフランス語で会話した事はほとんどない。

そんな感じです。

 

当然不便です。

でもぶっちゃけ不便ということが自体はそれほど問題ではありませんでした。

留学生が行かなくてはいけないところはだいたい皆留学生だとわかって対応してくれます。街の人は皆親切だし、不便でも多少の事は乗り越えていけます。話せなくても、生きていけるものです。(当然といえば当然ですが)

 

問題は不便さではなく、「伝わらない」ということへのストレスでした。

筆者は結構考え事をする方です。議論をするという行為が結構好きです。

しかし、それはフランス語でするには少しハードルが高い行為です。自分の頭の中で考えていることをそのまま言語化することができないのは当然ですが、それを踏まえて言いたいことを言えるほどの語彙力がフランス語にあるはずがありませんでした。

買い物にも苦労するくらいですから。

 

議論ができないことで、毎日がとてもつまらなく感じて行くようになりました。

あの時計、すごい場所にあるけどどうやってあそこまで持って行ったんだろう。疑問を抱いても、話す相手がいない。伝え方がわからない。

答えを探しているのではなくて、ああだろうこうだろうと言い合いをするのが好きなのです。不幸にも、そんなことを好んでする人はあまりいないですし、フランス語で自分の意見を言ったところで「そうじゃない」という伝わり方をすることが多く、それが自分にとっては大きなストレスになっていました。

 

 

それからもう一つ。周りとの差。

筆者と同じプログラムで留学しているのは全部で4人。加えて、語学学校にはフランス語を学ぶ人が通っています。気にしないようにしても、自分が同じところで足踏みをしているのに、周りが進んでいくのは辛いものです。

 

筆者は体力がありません。加えて、行動をすることが苦手です。

数日に1回は部屋で昼寝をしていますし、何をするにも人より疲れやすい性質だと思っています。

ご飯を食べる。水を飲む。

それを辞めたら死ぬ、という事にも疲労を感じてしまいます。

 

留学期間中というのは、外に出てアクティビティをこなすことを求められます。

情報収集して、現地の人と交流して、連絡先を交換したらやり取りをしたり、また会おうって予定を立てたり。

同期には毎日のようにこれらをこなしている人もいましたが、筆者には到底できませんでした。しかし、語学力の上達には「話すこと」が不可欠です。

話すことが不可欠なのに、部屋で休まないと動けない。

話すことが不可欠なのに、連絡を返すのが辛い。

そうして自分が休んでいる間にも外で頑張っている同期のことを考えると、情けなさとそうしたいのにできない苦しさで泣きながら眠ることもありました。

 

 

留学から帰ってきて思うのは、この辛かった時期は留学中ずっと続くわけではないということです。

もちろん、辛いことが全くなくなったわけではありませんでした。大学の授業に出るようになってからは、授業について行くのに苦労しました。留学した人が「友達いっぱいできた〜」と言うような、インスタで今でも連絡を取り合ってる様子が伺えるような、そういう友達は結局できませんでした。

しかし、毎日悩んで毎日苦しいと感じる日々は、最初の3ヶ月ほどがピークで、そこから徐々に言葉にも慣れ、生活にも慣れて行きました。フランスでの努力のおかげで、日本に帰って来てから、フランス人の友達を作ることもできました。

 

今留学先で苦しんでいる人へ。

楽しい瞬間は、留学から帰ってもずっと心に残ります。反対に、苦しかった時期の記憶は、どんどん薄れます。

今苦しんでいる人は、何かに残しておいてください。いつかこんなことを考えていたんだと懐かしめる日がきっと来ます。

辛い日々には、無理せず、たまには友達に電話でもしてみましょう。

 

これから留学に向かう人へ。

脅すような記事を先に読んでしまった不幸なみなさん。これは一個人の感想です。

これだけは誤解して欲しくないのですが、筆者は留学に行ったことを後悔したことは一度もないし、経験したこと、出会った人、全て留学に行ってよかったと思っています。

留学に夢を持ちすぎることなく、目標と計画を胸に、生きて帰って来てください。

 

追記:

この記事を出すにあたり、もしかしたら先生や留学を勧めてくださった先輩方の目に触れ、もしかしたら不快に感じたり、もしかしたら留学した学生として良くない報告かもしれないという不安がありました。

ここで強調しておきます。

フランスで学んだことは、確かに糧となり今の自分を作っています。フランスに行ってよかった。