わたぼうしの溜まり場

飛ばした綿毛を集めています

発音のはなし

こんにちは。

 

毎回ふざけていると偉い人に見つかった時に怒られそうなので、真面目な話を書きたいと思います。

真面目な話が苦手な方はばってんでツイッターに戻りましょう。

 

さて、人文学類にある仏語学コース(言語色々詰め合わせコースに合併予定)の必修科目には、「仏語音声学・音韻論」と言う授業があります。

担当の先生が変わったので今も同じ授業をしているかどうかは不明なのですが、概要としては「フランス語の発音記号を書けるようになろう!」「フランス語の発音を学ぼう!」と言う授業でした。(ここで詳しく書くと何人かの読者がアレルギー反応を示してしまう恐れがあるのでやめておきます)

私の時は春学期は発音記号と発音の一対一関係で学び、フランス語の綴りと発音の基礎を習いました。

秋学期は、これを応用して『Le Petit Prince(邦題:星の王子さま)』の第一章を丸ごと1学期かけて発音記号に直し、発音し、期末はその中から一部を引っ張ってきて全て発音記号に直すと言うもの。

つまりは音→発音記号→綴り字、綴り字→発音記号→音の両方向の変換ができるようにしようねってことだと思います。

 

なかなかどうして文で書けば単純でそれがどうしたって感じですが、フランス語と言う慣れない言語を読めるようにすると言うのはとても役に立つ知識です。

英語の場合を想像してください。

未知の単語に出会ったとします。

とりあえず発音してみて、と言われたら多くの人がそれなりの確率で正しく発音することができるんじゃないでしょうか。まあ日本の英語教育ではフォニックスあまりやらないので(賛否は置いておいて)読めなくても仕方ありませんが

なぜか?

  1. 経験
  2. ローマ字読み

きっとこの二つを使っているのでしょう。(筆者は言語学徒ですが特に言語教育、英語教育について詳しいわけではないので全くの推論です。違ったら教えてね。)

 

これがフランス語の場合、英語に引っ張られて発音すると全く異なる発音になってしまいます。

つまり、経験も足りなければローマ字読みも当てにならないと言うわけです。

 

言語を学んでいれば、必ず知らない単語に遭遇します。

それは文章の中でも、会話の中でもそうです。

まず文章を読んでいて出会った知らない単語を、例えば先生に質問しようと思った時。「綴り字から発音を推測する」ことができればかなりスムーズです。また、会話の中で出会って前後の文脈から推測した単語をあとで綴りに直すことができる、と言うのもかなりのアドバンテージになります。

 

もちろん、「正しい発音」を知っているのも大きなアドバンテージです。

もちろん、会話の中で発音を気にしている余裕はないのですし、発音にこだわりすぎて会話を続けられないのも困ります。しかし、発音が正しくなければ伝わらないものもありますし、流暢に話せるようになるには必須の条件でもあります。

 

そういうわけでフランスに来てから、音声学・音韻論の授業がとても役に立っているなあと実感しています。もちろん他の授業も役に立っていないわけではなく、ああこれ授業でやったなあみたいに思うことがたくさんあります。

 

外国語を学んでるけれど言語学をやっているわけではないという皆さんにも、音声学・音韻論の授業はぜひ一度のぞいてみることをお勧めします。(現用されている言語、またはその言語をコミュニケーションツールとして使用する意思のある方に限る)

何より、みんなであーとかいーとか発音する授業、めちゃくちゃ楽しいのでぜひ。

なんだかステマみたいになってしまいましたが、もちろん学んだからと言って全て正しく発音できるわけではなく、結局は練習・実践あるのみです。れんしゅう……しなければ……